愛し*愛しの旦那サマ。

そんな産まれたての子馬状態のような私を見かねたのか、臣くんがひょいと私をお姫さま抱っこする。


「大人しく寝てろ」


そんな臣くんの言葉に、


「こ、ごのままじゃ……元旦が……」


と、うつろな表情で嘆く私。

お姫さま抱っこに感動する暇もなく、元旦の太陽に執着する。

そんな私を見て、


「ったく、お前は……」


と、溜め息をついて、そのままテラス側の窓まで移動してくれる臣くん。


「ほら、これで我慢しろ」


最近、体重増加気味の私を抱えたまま、臣くんは窓越しに空を見せてくれる。


「……よぐわがらないでず」

「そりゃ、周りにマンションやビルがあるからな」

「お、臣ぐん、臣ぐん……」

「(今度は)何だよ」

「デ、デジカメを……」


「……」


臣くんは私を抱えたまま、デジカメをとり、そのままの姿勢で元旦の空?をバックにしてツーショット写真のシャッターをきってくれた。

かなり呆れていらっしゃるみたいだけど……


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