アレキン義理兄と桜子の一ヶ月【短編】
『僕におねーさんなんて、いないよ。
 お父さん、また実験に失敗したの?頭、大丈夫?』


何気に酷いこと言ってる、プティ・アレキン。


「アレキン、お父さんの頭は正常デス。天才デス。
 桜子おねーちゃん、忘れたらかわいそうデス。
 ね、桜子ちゃーん!」


お父さん、話をこっちに振らないでよ、いきなり。


プティ・アレキンが、こっちをじーと見てくる。


濁りのない、なんて純粋な瞳。

この子、本当にアレキンお兄さんなの、信じられない。


腹黒くて、計算高く、突っ込みが激しい、あの。

あの、アレキンお兄さん、だっていうの?


桜子は、今まで出合ったアレキンに対するイメージと、


今の純粋そうな、プティ・アレキンを比べてしまう。


あっ、またこっちを、じーーーぃと見つめてきて、

かわいい、抱きしめたい位に!



『僕のおねーさん、なの本当に?
 頭、悪そうだけど・・・』


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