アレキン義理兄と桜子の一ヶ月【短編】
「お父さん、アレキンも泣きそうですし、
 一度地下室に、避難して、戻って。
 プティ・アレキン、4歳ですから」


4歳の男の子、頭のいい子だけど、まだまだ子供。


お父さんも、相当ショックが大きいだろうし、


やっぱり、ここは私が兄さんの相手をするのが、一番だろう。


後で、また二人とも喧嘩、しそうだし。


『さくらこおねーさん、い、こう。
 あっちに、行こう。』


プティ・アレキンから、涙が目から、一筋流れ落ちた。


「泣かないで、アレキン。ね?
 貴方が、今まで我慢していたことが、
 寂しい思いを、一杯したもんね」


こくこく、とただ首を立てに振って答える。


「沈没、船。デス・・・」


シュタインは、そう言って、地下室に戻って行った。


「お父さん・・・。
 後は私が、何とかしますから」


お父さんの後ろ姿は、あまりにも、気力が失われいるようだった。
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