アレキン義理兄と桜子の一ヶ月【短編】
「にんじんがないと、
 星家伝統のアレが作れないんです・・・。 
 せっかく、作るきマンマンで帰ってきたのに」

「で、夕飯の献立変更後は、なんや?」

 
「なので、今日は夕飯白いご飯と梅干です」

「白いご飯と梅干だけ!?
 桜子材料あるだろ、他のメニュー。作れるだろうが」


わなわなと、震える振動が、


頭に乗せていた手から伝わってきた。


「義理兄さん、私は伝統の味を日々絶やさないために、
 月に1回、大量に作って冷凍保存してるんです」


「何でや、そないに重大な問題なんか、桜子?」


「そうです、お母さんが料理オンチなので、
 冷凍して保存食にしてるんです。
 人数が増えたので、料理の時間が4倍になったんで」


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