アレキン義理兄と桜子の一ヶ月【短編】
「俺はな、アレキンって呼ぶことほとんど許さん主義やねん」

「それって、アレキンって略して言ってるからですか?」


「簡単に言うたら、俺が心を許した人物以外に、呼ばせへん。
 ただ、それだけの理由」


心を許した人物、以外。駄目なんだ。

私信用?されてなかったてこと?


アレキサンダー義理兄さん、

て呼んでたけど。


前に、義理兄さんの方から、かってに桜子って。


チビ妹から、桜子へと呼び方が変わって、

心を少しは、許してくれていると思っていたのに。


「私のこと、まだ嫌いだったんだね」


「違う!逆や桜子。俺ほんま嬉しいねん。
 アレキンお兄さんなんて。
 言われることない思っとたさかい」

「私、アレキン兄さんのこと、今は嫌いじゃないです。
 家族として、好きになりかけですから」


「ほんまか、桜子」


「ほんとです」
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