【完】児玉くん色に染められそう。





「ちょっときてっ」


「え、なに」


腕を掴み、そのまま廊下へ出る。

グングンと引っ張りながら
向かった先は廊下の端。

お昼休み時間が間も無く終了するのであまり遠くには行けないと思ったのだ。



「児玉くん、三宅と
放課後対決するって本当?」



児玉くんはあたしの言葉に

一瞬キョトンとした。



「うん。知らなかったの? 三宅が自分で言うってしつこかったからとっくに言ったんだと思ってた」


「…え。

う、うそ、まだ聞いてないよ!」

「LINEは? 見た?」

「……見てない」

「じゃあ、多分三宅からLINEきてる」

「……失礼しました」

「うん」



ああああ、消えたい…。
三宅も直接言ってよバカー!


折角久しぶりに児玉くんと話せたのに。
カッコ悪すぎて顔を上げられない。



「…」

「…」



暫しの沈黙が流れる。






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