【完】児玉くん色に染められそう。
でも、児玉くんの場合気を遣ってるとかじゃなくて本当にただ興味がないだけというのが察せる。
「ふいー、終わったあ」
パタンと日誌を閉じる。
ペンを児玉くんに返し
窓閉めチェックをしようと
席から立ち上がった。
児玉くんもそれに習って
廊下側の窓を確認して回る。
動作音だけが教室に流れた。
「ねえ」
「んー?」
「一つ聞いていい」
「うん。なになに?」
ガチャ、と窓の鍵を閉め終えた
児玉くんがこちらに振り向く。
あたしは鞄を持ちながら
特に考えず児玉くんへと歩み寄った。
「――三宅の告白、受けるの?」
その歩み寄っていた足は、児玉くんの言葉と共に停止する。
あまりの意外な言葉に怒りよりも驚きの方が勝っていた。
だって、児玉くん人の色恋沙汰とか絶対興味ないはずだもん。
なのに、なんで聞いたの?
逆にあたしがそう質問したいよ。
「……児玉くんに、関係ないよね」
「うん、でも言って」
「、」
珍しく引かない児玉くんに
あたしは戸惑いを隠せずにいた。