【完】児玉くん色に染められそう。
「三宅くんと児玉くんが
今日の放課後体育館で
対決するんだって!!」
「……え」
パンを持つ手が固まった。
二人が対決??
い、嫌な予感がしてならない…。
結衣には洗いざらい話してあるから、彼女も多分感づいているだろう。
「もしかしてあたし関係…
「あるに決まってるでしょうが!」
「だよねえ?!
うっわ、どうしようっ!」
ハッとして児玉くんの席を見るが
そこは空席となっていた。
キョロキョロと教室を
見渡すが児玉くんの姿はない。
なんで、なんで言ってくれないの。
あたしは食べかけのパンを片付けると椅子から立ち上がる。
「あ、…か、薫、児玉くんいるよっ」
「、」
結衣に言われて視線の先を見ると
教室に戻ってきた児玉くんと目が合う。
逸らされぬ内にとあたしは
彼の元へ小走りに駆け寄った。