遠く空の上から(4p)
 
けいちゃんはパパの部屋に駆け込みました。

「パパ」

パパの手を取って引っぱります。
でも、パパは目をつむったままで、びくともしません。

「パパ、お・き・て」

お腹の上に乗って胸を叩きました。

パパは薄目を開けて、けいちゃんを見ましたが、起きようとはしません。

「土曜日くらい寝かしてくれよぉ」

そう言うと、寝返りをうちました。
急に横を向くもんですから、けいちゃんはお腹の上から滑り落ちてしまいました。

「もう、パパったら知らない」

けいちゃんは口惜しくて、パパの髪の毛をぐちゃぐちゃにして、ドアをバタンと閉めました。

 
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