遠く空の上から(4p)
けいちゃんのおねがい
パパが迎えに来て、けいちゃんは家に帰りました。
そして、夜になるのを今か今かと待っていました。
やっと、寝る時間がきました。
けいちゃんはベッドに入って、目をつむり、パパはチュッして、電気を消しました。
さあ、いよいよです。
けいちゃんは丸をパジャマのポケットにいれました。
そして、音がしないようにそっと歩き、玄関のドアをこっそり開けました。
外は真っ暗です。
「カサカサ」
上の方から音がしました。
(おばけ?)
けいちゃんはドアのノブを掴んだまま、身を乗り出して見上げました。
そこには幾千幾万の星々が瞬いていました。
けいちゃんは後ろ手にドアを閉めると、息を飲みこんで、唇を堅く結びました。
そして、頭の上に丸をのせると、確かめるように一言一言、ゆっくりとお願いしました。
一所懸命にお願いしました。