太陽が昇らない街
翌日。
「ねぇねぇ、君の名前教えてよ」
「そんなもの教える必要はない」
昨日言った通り、また来た男。
『化け物』と呼ばれる彼女を相手に呑気なものだ。
「200人に襲撃されて無傷だったって本当?」
そういって彼は私を見て、「ああ、肌白くて綺麗だもんね、傷ついたことなさそう」と付け足した。
「そうよ。わかったなら消えて」
まとわりつかれると迷惑なのよ。
「そもそもさぁー、君って傷つけれないんでしょ?」
「は?」
「『化け物に向けた刃はすべて消されてしまう』て言ってたよ?」
「・・・だから何」
私は間を空けてからめんどくさそうに答える。