太陽が昇らない街
「僕が実は敵で、これが作戦だったとしても、君に刃が刺さるようなことはない。だから恐れられてるんでしょ?」
「なら、あなたのいう『君を守りたい』って言葉も無意味ね」
矛盾してる。
私が傷つかないって知ってて『守りたい』なんて。
「とりあえず、ここが入ってはいけない場所だってこと、わかってるでしょ?出てって」
「その入ってはいけない理由である君に会いたいんだから、仕方ないだろう?」
「盗賊に襲われてたくせに・・・」
私は彼の方を向く。
「やっとこっち向いた」
彼は優しく微笑んだ。