太陽が昇らない街
「私は生きる悪魔・・・・」
彼女はぼそっと呟いた。
「そんなことないっ!」
男は眉を吊り上げ声を出す。
そして眉はすぐに八の字になり、悲しげに続けた。
「悪魔だなんて、化け物だなんて言わないでください」
男は彼女を見上げる。
「あんたがどう思おうと、街人はそう呼んでいる」
「そうやって、なんでも諦めてしまうんですか」
物言いたげな表情をする男。
彼女が諦めていることを知っているかのように。