太陽が昇らない街
安心できる場所
あれから男は何回彼女の元を訪れただろうか。
逃げられては追いかけ、共に襲撃に遭い、隠れる。
「お願いだからついてこないで」
「君の言うことは聞かない」
にっこりと笑いながら言う。
「それとも一緒に街を出る気になった?」
男は懲りずに彼女を連れ出そうとしている。
「あんたは、ここから離れて。もう来ないで。あんた、街人に見られてる」
彼女は何度でも繰り返す。
「もうこれ以上来ないで。戻れなくなる」
化け物と共にいるあなたは、狙われる。
だからもう、私を助けようとするのはやめて。