【短編】アナタとワタシ
ドアを開けると、そこには……
学校一のイケメン、沢下昌樹先輩がいた。
なんで、そんな人が屋上に……?
しかも、そこ私の特等席。
「あのー、沢下先輩?」
「ん、何」
こちらを見向きもせずに無愛想な返事をする先輩。
流石に先輩だろうが頭に来る。
でもそれを押さえて、私は話を続ける。
「なんでこんな所にいるんですか?」
一瞬私を見ると、ニヤリと笑われた。
この先輩、確か学校一のモテ男。
いつも女子たちが群がってる。
その女子たちは趣味が悪いね。
こんな意味不明な奴を好きになるなんて!
「それはな……」
そのとき、ぐらりと体が倒れるのを感じた。
思わず、目を綴じてしまった。
すると唇に何か暖かいものを感じた。
私にはなんだか分からずに、目を綴じたままでいた。
なんだか、見ちゃいけない気がしたから。
でも、好奇心に勝てずに瞼を開いてしまった。
目の前には先輩の姿。