そして少女は兵器を知る
しかしお祖父様は、

「そうか。わからないか。なら、じっくり覚えようじゃないか。なあ、ミリアリア」

と、少し肩と声を、楽しそうに震わせるだけだった。

私は、彼の笑声を聞きながら、また紅茶を含む。

こういった飲食物を摂取できると知ったのは、お祖父様にここへ連れられてきてからだった。

それまで、私は他者の生を強奪し、弱肉強食を果たすことこそ、一種の『食事』だと思っていた。

だから、ここへ来た当初は、過ちを犯したらしい。

もともと屋敷には、犬がいた。黒い、牙を剥く本能に長けた犬だった。

今では、とうに私の『赤』の養分になっているが……ここは、あの白いケースの中とは、違うらしい。

犬は、あの獣とは、違うそうだ。

共存……他者と共に存在、行動する、『生活』があった。

その『生活』のおかげで、私の知識、見聞は、広がっている。

世界は、私がいたケースなど比べ物にならないほど、大きい。
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