そして少女は兵器を知る
「ミリアリア、明日私は、少し外へ出てくる。ついてきておくれ、ミリアリア」

お祖父様は、会話の端々、頻繁に私の名前を呼ぶ。

私の名前を呼び、私に触れ、見つめることで、『ミリアリア』という存在を手探り、たしかめているように、私には感じた。

私は、無知ではない。知識がある。しかし、それを活かす教養がない。

だから私は、世界を知らなければならない。知識が急速に集束し、私のなすべきことがなにか、脳へ指令を出すのだ。

ミリアリアは、お祖父様のお言葉に、付き従わねばならない。

どこへ向かうにも、なにを行うにも、ミリアリアは、その目が届く場所、手の触れる距離にいなければならない。

そうすることで、私の知識は『知識』以上となる。

そう、知識が言っているのだ。

根拠など、わからない。あの白いケースの世界を生き残った時のように、すべて本能か、あるいは……。
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