そして少女は兵器を知る
弾丸が、少女に無数の穴を穿ち、火花の代わりに、血飛沫を弾き出す。

が、

「悪いこと、ダメ」

少女は、倒れなかった。

まったくの一瞬で、血まみれの少女が男のひとりに詰め寄る。

「ひ」

と、男が悲鳴をあげたのは、少女の存在にか、朱に濡れる肌の艶やかさか、わからない。

次の瞬間には、パグァッ、と、いっそ心地よい響きとともに、男の首が少女の手で薙ぎ取られていた。

「化け物めぇっ!!」

タタッ、
タタッ、
タタタッ。

と、少女へ再び弾丸が飛ぶ。

しかし、少女はすでに動いていた。

芝に小さな弾痕が刻まれるうちに、二人目、三人目の男の頭が、腹が、その小さな手でもがれ、貫かれていた。

悲鳴が上がるたびに、殺人装置の威勢が衰えていく。

分の間にとうとう、立っているのは集団の頭だけとなった。
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