そして少女は兵器を知る
かつて、真っ白な部屋で、真っ白な肌に真っ白な髪の少女がいた。

少女はずっと、並び輝く照明の偽日を眺め、ガラス天井と四角い部屋の中で飼われているとばかり思っていた。

ところが少女はある時、外へ出された。

今まで与えられなかった服と生活、そして、名前が少女を待っていた。

その少女は、この私。

前は、『赤』という名前がいいと思った。

けれど『8』と呼ばれていた。

8という名前を覚えた私に、けれど今度は、お祖父様が違う名前を与えてくれた。

だから、今の私の名前は、赤でも、8でもない。

ミリアリア――それが私の名前。

広い広いお屋敷に住まう、お祖父様のひとり孫、ミリアリア。

それが、今の私だ。
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