襲撃プロポーズ-二度目の求婚-
眉はぎゅっと中央に寄り、唇は固く結ばれたまま。
その瞳はゆらゆらと何かを求めるように揺らめいていて。
初めて見た彼女のその表情。
しかしそんな表情すらも絵に描いたように可愛らしい彼女に、晴宗はこの場に不釣り合いだと思いながらも瞬きすら忘れて見惚れてしまった。
そんな晴宗を前に、久保姫は少し躊躇いがちにその口を開く。
「…笑窪は、怒っているのです」
唇を突きだし拗ねたような声色で発せられたその言葉に、ハッと我に返る晴宗。
「な、何をそんなに怒っているんだ。何かあったのか?誰かがお前を傷付けるようなことを?」