襲撃プロポーズ-二度目の求婚-
二度目の求婚
しん、と時が止まったようだった。
静寂の中でポロリと一筋流れた涙。
はぁはぁと肩で息をしながら久保姫は晴宗をみつめる。
そんな彼女の瞳から次々と零れ落ちる涙と吐き出された言葉に呆然とする晴宗。
そしてその言葉の意味を理解するや、さっと顔色を変えた。
(あぁ、なんてことだ)
考えてもいなかった。
「…知っていたのか…」
まさか彼女がもうその話を知っていたなんて。
思いもよらぬ事態に晴宗は困惑を顔に浮かべる。
そんな晴宗に答えるように、お忍びの方が教えてくださったのです、と。
そう悲しそうに久保姫は眉を下げた。