襲撃プロポーズ-二度目の求婚-
もともと小競り合いをしていた関係だった両者である。
晴宗の行動は互いにとって立派な"理由"になったのだった。
いくら覚悟の上とはいえ流石に晴宗も頭を抱えた。
そのなかで久保姫が晴宗との婚儀を認めてほしいと重隆に何通もの書状を送り続けていたことは記憶に新しい。
毎度届くその惚気を十二分に含んだ手紙に、そのたび重隆がご乱心だったのは岩城家の余所へは出せぬ秘密である。
結局久保姫の熱意(惚気)に根負けした重隆。
そのかわりにと晴宗が約束させられたのが長男の入嗣であった。
今回はその詳しい話し合いを行っていたのだ。