襲撃プロポーズ-二度目の求婚-




「お前を横から奪ったんだ。仕方ないとは思う」


「ですが!私は嬉しかったのに…!」




それはおかしい、と反論するために顔を上げた久保姫。

しかし言葉は喉の奥で止まってしまう。


顔を上げた先、その目に映ったのはどこまでも幸せそうに笑う晴宗の姿だった。




「あぁ。俺もお前が手を取ってくれて嬉しかったさ。こんな幸せないと思った」




心の底からその言葉を言っているであろうことはその表情から明らかで。


隠すことなくそれを表に出す晴宗に、ボッと久保姫の頬が林檎のように色付く。

それは久保姫をこの上なく幸せにする魔法の表情。




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