襲撃プロポーズ-二度目の求婚-
拐われたあの日以来、いや初めてその姿を見たあの日以来久保姫の心は太陽のようなこの男に掴まれっぱなしなのだ。
こうやって暖かく笑ってくれるから、行き場のなかった彼女の怒りもすっと引いてしまう。
本当にずるい男だと久保姫は思った。
「お前の父親が俺を嫌うのは仕方ない。俺だって同じ立場だったら許せん」
はは、と大きく口を開けて笑う晴宗に久保姫も小さく笑みを溢す。やはり彼の笑みは暖かい。
「だが、それで伊達の血が脅かされるのも困る」
お前もだろう?と首を傾げる晴宗に、久保姫はうっと言葉を詰まらせた。