襲撃プロポーズ-二度目の求婚-
カタカタと震える細い指先。
そんな久保姫の様子に気付いているのかいないのか。
晴宗はふと震える彼女の手を取った。そしてしっかりとした眼差しで彼女を見つめ言葉を続ける。
「お前に辛い思いをさせるのはわかってる。でも俺は俺たちの子どもに後を継がせたいんだ。それに…」
そこまで言って晴宗は一度口を閉ざした。
そしてモゴモゴと言いにくそうに口を動かす。
それを不思議そうに目を丸めて見つめる久保姫。
そんな彼女に晴宗は僅かに顔を染め、照れたように笑みを浮かべた。
「ちゃんとお前の夫だと認めてほしかったんだ。だから仲を修復するためには妥協せざるを得なかった」