襲撃プロポーズ-二度目の求婚-
「岩城にも伊達にも、俺たち二人の血を残すために」
俺たち二人の血が二つの家に流れるなんて、凄いだろ?
そう言って得意気に笑う晴宗に、久保姫は呼吸を奪われたような気分に陥った。
この人は今何と言っただろう、と。
大きな瞳をさらに大きく広げ久保姫は晴宗を見上げる。
驚きに言葉を発することが出来ない久保姫に、晴宗は満足そうに口元に弧を描き言葉を続けた。
「この奥州の母になってくれ」
それは決してこの血が絶えないことを約束するような。
この地に二人の絆を刻むような言葉。
そんな言葉がゆっくりと久保姫の体に染み渡る。