襲撃プロポーズ-二度目の求婚-




右手は晴宗の左手に押さえられ、左の頬には彼の右手が添えられていた。

乾いた涙の跡を拭うように晴宗の指が動けば、少しばかりくすぐったそうに顔を動かす久保姫。


そんな彼女に晴宗は幸せそうに微笑む。




「お前が幸せになれる国をつくるよ」




この広い奥州でお前が幸せに笑っていられるように。


そんな想いを込めてそう紡げば、久保姫の瞳に再び涙が浮かぶ。

その涙にも晴宗はやはり嬉しそうに笑った。


彼は知っている。

今度のそれが暖かい涙であることを。


そしてもう一つ。彼にはどうしても彼女に伝えておかなくてはならない言葉があった。




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