襲撃プロポーズ-二度目の求婚-
ぽろり、と久保姫の瞳から真珠のような涙が零れ落ちる。
とても綺麗なそれは頬を伝いその深い想いを大地に伝えるように畳に跡を残した。
じんわりとこの地に根を張るように。
「たくさん産みます!決して晴宗様の血が絶えないように。だから…だから…」
震える声で紡がれるそれは祈りのような、懇願のような。
その瞳に映る炎が互いに同じであることに気付くまでそう時間はかからないだろう。
熱く熱く、二人の中に燃える恋心。
それが消えることはない。
晴宗は頬にあてられた細く白い手のひらをそっと包む。
それを待っていたかのように彼の宝は嬉しそうな笑みを浮かべた。