襲撃プロポーズ-二度目の求婚-
姫のお怒り
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「えくぼ。入るぞ」
そう言って晴宗は返ってくる返事を待たぬまま、そっと部屋の襖を開けた。
中に足を踏み入れれば、すぐに見慣れたようであまり見ることのない背中が目に入る。
そして同時に今までで一番冷たい空気が晴宗の体に触れた。
部屋の隅の方でじっと座り動くことのないその後ろ姿。
その正体はもちろん晴宗が目に入れても痛くないほどに溺愛している奥州一の美少女・久保姫である。
「えくぼ。帰った」
「……」
だがその背中からは一切返事がない。
いつもの愛らしい笑顔も見ることが出来ない。