年俸1360万円!?~私が手にしたデビューの切符



いつもの数倍優しい手が、泣きそうな顔を隠すようにぺたんぺたんと、不器用に私を撫でつける。



「信じてもらえるか分からないんだけど……」



返事はしない。



時間が経過したからか、部屋の温度が下がったような気がした。



ぞくり、と体を震わすと頭を撫でていた手は腕を包むように移動する。



あぁ……違うんだ。



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