Sweet kiss
気がつけばあたしは、保健室ではなく、どこかの部室のベンチで寝ていた。
「大丈夫か?」
「ふ、古澤くん?」
あたしは慌てて起き上がる。
「他の人は…?」
誰もいない。もしバスケ部の部活なら、他に人がいてもいいだろうし…
「全員帰った。その、本当は保健室連れてく予定だったんだけどよ、空いてなくて、ここしかなくて…お前一人置いてくわけにはいかねえから、俺が残ってるだけで…。」
彼はいきなり言い訳を始める。
「そうなんだ。」
って、そう返すしかなくて。
「ありがとう。あたしは帰るね。」
そう言って立ち上がる。
だけど…
彼があたしを帰そうと、しなかった。
「⁈離して…?」