不謹慎ラブソング
「下校時刻だよ、樋口さん。鍵閉めちゃうから、もう教室出て。」
 
委員長に声をかけられて、私は慌てて帰り支度を始めた。

教室には、降るはずのない雨が降っていて、私の傷を突き刺していた。

鋭い痛みを肌に感じながら、それでも私は笑っていた。
 
委員長に笑顔で挨拶をして、教室を飛び出す。
 
瀬田なんていなくなってしまえば良い。

初めて、そんなことを思った。
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