不謹慎ラブソング
瀬田に電話をかけたのは、その日のうちだった。
妙に興奮していて、人を一人くらい刺せるのではないかと物騒なことを考えてしまうほど、その時は思考がおかしくなっていた。
私は、普段なら使わないような低い声で「樋口です」と電話口に呟いた。
向こうからは、少しだけ戸惑うような、けれど威厳を保とうとするような、強がった声が聞こえてきた。
「新聞部、退部したから。
携帯からアドレス削除してくれて構わないよ。
どうせ、使わないんでしょ?」
一気に不機嫌にまくしたてた。
瀬田も身に覚えがあるらしく、黙りこんでしまっている。
「副部長になれてお友達もできて、瀬田さんが幸せそうで何よりだよ。
部員が一人減ったくらい、全然問題ないでしょ?」
向こうからは、何かを言い辛そうな唸り声が聞こえて、それから、小さく「うん」と返事があった。
まともな感覚のある人間なら、絶対にそうは答えない。
私は心の中でそう瀬田を罵った。
妙に興奮していて、人を一人くらい刺せるのではないかと物騒なことを考えてしまうほど、その時は思考がおかしくなっていた。
私は、普段なら使わないような低い声で「樋口です」と電話口に呟いた。
向こうからは、少しだけ戸惑うような、けれど威厳を保とうとするような、強がった声が聞こえてきた。
「新聞部、退部したから。
携帯からアドレス削除してくれて構わないよ。
どうせ、使わないんでしょ?」
一気に不機嫌にまくしたてた。
瀬田も身に覚えがあるらしく、黙りこんでしまっている。
「副部長になれてお友達もできて、瀬田さんが幸せそうで何よりだよ。
部員が一人減ったくらい、全然問題ないでしょ?」
向こうからは、何かを言い辛そうな唸り声が聞こえて、それから、小さく「うん」と返事があった。
まともな感覚のある人間なら、絶対にそうは答えない。
私は心の中でそう瀬田を罵った。