不謹慎ラブソング

生温い水道水。


水を止めるために捻った蛇口はヌルリとおかしな感触がして、青い液体が流れていく。


絵の具だろうか、何だろうか。


もう一度手を別のところで強く洗って、今度は蛇口を捻らなかった。


大きいおかずの持ち手についたシチューは、白濁色をしていて、見ているだけで気分が悪い。


どうして、おかずが持ち手についているのかも分からないが、渡された時から既にこうだった。


ビニール手袋をして持つことはできるが、手袋と持ち手の間から零れたシチューは、きっとスカートや上履き、地面に落ちるのだろう。


それも、我慢はならない。
< 43 / 100 >

この作品をシェア

pagetop