不謹慎ラブソング

大きいおかずは、男子が持つ決まりだった。


男子と女子で役割が違うのは差別的だ、と何処かの親が抗議していたが、体育の授業や休み時間の過ごし方すら別々に行われているのだから、体力があるのは男子のはずだった。


けれど、大きいおかずを運ぶのは必ず私。


給食当番じゃない時でさえ、私が運ぶ。


担任が潔癖症の私に嫌気がさしてこの仕打ちをしているのか、それともあの不潔極まりないクラスメートたちが私への嫌がらせでやっているのか分からない。


とにかく、私は大きいおかずの係。


やらないと、殴られる。蹴られる。髪を引っ張られる。ノートを破られる。罵られる。ハサミを投げられる。
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