不謹慎ラブソング
自分勝手に生きる……、その言葉は私の人生において無縁に近いものだった。
とにかく他人のことを第一に考えて頑張り続けていた。
県内一でろんでろんとしたお嬢様学校に通っていたから、人への気遣いができなければまっ先に苛められてしまう。
少し空気を読み間違えれば翌日からは仲間外れになる身だったから、息をすることすら大変だった。
笑顔を振りまいて、無邪気に振る舞って、誰とでも仲良くする自分が本当は大嫌いだった。そして、人へ気を配り続ける私のことを馬鹿にする輩のことも大嫌いだった。