不謹慎ラブソング
あの美術室でのことが思い出されて、どうすれば良いのか分からなくなった。
礼人君は苛立たしげに私の肩紐が外れたキャミソールを引っ張り、腰までずり下げた。
形の整わない乳房と、皮膚に浮き出た肋骨が、戸の隙間から入り込んだ月明かりに照らし出された。
慌てて乳房を隠そうとする私の腕を、礼人君は強く握った。
そして、私の胸に勢いよく顔を埋める。
ピチャリと、肌に舌の感覚を感じてゾッとした。
喉元まで出かかった悲鳴を慌てて呑み込む。
黙っている礼人君が、心の底で何を思っているのか。
その答えを知りたくなくて、けれど知らなければならない気もして、身体は相変わらず小刻みに震えていた。
突き放される恐怖を感じ、思わず泣きそうになった。