不謹慎ラブソング
駅を出ても、快晴は続いていた。何処か遊びに行こうと思いながらも、まずは家へと向かう。
 

駅を出てすぐのところにあるクリーニング屋からは独特のシーツの匂いが漂い、その横のたこ焼き屋からの匂いと混じり合って実に不快だ。
 

化粧品屋からパーマをかけたお婆さんが美容水を買って出てきたところで、お見送りが出てくる。
 

その角を曲がる途中、バイクの爆音とすれ違った。
 

この町を、早く出たいと思う。


こんな町、なくなれば良いと思う。
 

徐々に進められていく改築工事が、実に愉快で、こんな町、変わり果ててしまえば良いと思う。
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