不謹慎ラブソング
月日は流れた。


私は十八歳になり、望み通り東京へ出た。


大学には、通わなかった。


皆が大学に通う四年間の間に、たくさん小説を書いて、それをとにかく応募して、作家への道を切り開こうと考えていた。


新しい町は、人と人との関わり合いが少なくて、とにかく住みやすい。


近所の美容院は雑誌の通りにカットしてくれるし、近所のスーパーはミネラルウォーターが安い。


近所には可愛い犬がいて、近所には品揃えの良い本屋がある。
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