不謹慎ラブソング
春、新人賞に応募していた作品が佳作をとった。

けれど、出版にはならなかった。


担当もつかなかった。


一番下の賞で、扱いも酷かった。


次こそはと思い、小説を書き始めたのだが、


前作にかけた時間や費用を考えて虚しくもなった。


次は、入選すらしないかもしれないと密かに思いもした。


時々隣りにある本棚を眺め、手を伸ばそうとして良心に止められる。


やはり、あの中高合わせた六年間が無駄だったのだ、そう思った。
< 95 / 100 >

この作品をシェア

pagetop