たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
そう告げる雅弥の声には冷たい響きしかない。そのことに惟は眉をひそめている。そして、この敵意まみれの言葉をぶつけられた千影は立っていることも難しい状態になっている。
「竹原、それは本当? それより、亜紀と南原がトラブル? どこで会ったの? 二人が会うような機会ってないだろう」
「これ以上のことを申し上げるのは、私の職権を越えておりますので、控えさせていただきます。ただ、お嬢様のことですので、このようなことがあったことはおっしゃらないでしょう。このことを山県様がご存知なく、いらぬトラブルを引き起こさないよう。それだけのために、お耳に入れただけのことですので」
そう言い切ると雅弥は優雅に腰を折り、部屋を後にしている。その彼の後姿を見送った千影は、ガチガチと震えることしかできない。だが、そんな中でもどうして、という思いだけが大きくなっていく。
どうして、あそこまで敵意を向けられないといけないのか。
自分はあの子供に当然のことを言っただけではないか。
身の程知らずとは、あちらのことを言うのではないか。
そんな思いだけがグルグルと渦を巻いている。そのせいだろう。彼女の手は固く握りしめられ、爪が食い込んでいく。そんな普段の千影とはまるで違う姿に、惟は不思議そうな様子で声をかけてきていた。
「南原、具合でも悪いの? それより、外出していた時に亜紀に会ったの? そんなこと、君は言わなかったじゃない」
「竹原、それは本当? それより、亜紀と南原がトラブル? どこで会ったの? 二人が会うような機会ってないだろう」
「これ以上のことを申し上げるのは、私の職権を越えておりますので、控えさせていただきます。ただ、お嬢様のことですので、このようなことがあったことはおっしゃらないでしょう。このことを山県様がご存知なく、いらぬトラブルを引き起こさないよう。それだけのために、お耳に入れただけのことですので」
そう言い切ると雅弥は優雅に腰を折り、部屋を後にしている。その彼の後姿を見送った千影は、ガチガチと震えることしかできない。だが、そんな中でもどうして、という思いだけが大きくなっていく。
どうして、あそこまで敵意を向けられないといけないのか。
自分はあの子供に当然のことを言っただけではないか。
身の程知らずとは、あちらのことを言うのではないか。
そんな思いだけがグルグルと渦を巻いている。そのせいだろう。彼女の手は固く握りしめられ、爪が食い込んでいく。そんな普段の千影とはまるで違う姿に、惟は不思議そうな様子で声をかけてきていた。
「南原、具合でも悪いの? それより、外出していた時に亜紀に会ったの? そんなこと、君は言わなかったじゃない」