たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
惟のその声に、千影の頬が微かに赤く染まっていく。その彼女が差し出してくる書類。それに目を通した惟は、どこか不機嫌そうな表情になっていた。
「ねえ、南原。これくらいのこと、君の裁量でやってもらっても問題ないんだよ。そうじゃない? たしか、今まではこのクラスのことは全部、君がやってくれていたはずだよ」
「た、たしかにそうですが……」
惟の指摘に千影はうろたえたような様子になっていく。そんな彼女を置いて、彼はサッサと歩き始めている。
「たしかに、僕がタッチしないといけない部分もある。それは認めるよ。でも、何から何まで僕の意見を求めるのは筋違いだろう。君たちに任せる部分は任せている。だったら、どうしても無理な時だけ、声をかけてくれればいいんじゃないのかな? 僕の言っていること、間違ってる?」
いつもの彼であれば、ここまでのことは言わないだろう。だが、今日は違う。なにしろ、いつものように亜紀を迎えに行こうとしていたのを邪魔されたのだ。
放課後の彼女を迎えに行き、そのまま一緒に時間を過ごす。あまり長い時間を割くことはできないが、それでも惟にとっては亜紀と一緒に過ごす大切な時間。
それを十分に部下でも処理できるような案件で潰された。そんな思いを消すことのできない惟は、千影に対して冷たい声をかけることしかできない。
「南原。僕は君のことを見損なっていたのかな? 君はある程度以上に能力もあるし、きちんと仕事ができると思っていたんだけどね」
「惟様……」
「ねえ、南原。これくらいのこと、君の裁量でやってもらっても問題ないんだよ。そうじゃない? たしか、今まではこのクラスのことは全部、君がやってくれていたはずだよ」
「た、たしかにそうですが……」
惟の指摘に千影はうろたえたような様子になっていく。そんな彼女を置いて、彼はサッサと歩き始めている。
「たしかに、僕がタッチしないといけない部分もある。それは認めるよ。でも、何から何まで僕の意見を求めるのは筋違いだろう。君たちに任せる部分は任せている。だったら、どうしても無理な時だけ、声をかけてくれればいいんじゃないのかな? 僕の言っていること、間違ってる?」
いつもの彼であれば、ここまでのことは言わないだろう。だが、今日は違う。なにしろ、いつものように亜紀を迎えに行こうとしていたのを邪魔されたのだ。
放課後の彼女を迎えに行き、そのまま一緒に時間を過ごす。あまり長い時間を割くことはできないが、それでも惟にとっては亜紀と一緒に過ごす大切な時間。
それを十分に部下でも処理できるような案件で潰された。そんな思いを消すことのできない惟は、千影に対して冷たい声をかけることしかできない。
「南原。僕は君のことを見損なっていたのかな? 君はある程度以上に能力もあるし、きちんと仕事ができると思っていたんだけどね」
「惟様……」