たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
「南原。僕がいつ、君のことを好きだと言った? 信頼しているという言葉は何度も言ったと思うよ。でも、君に恋愛感情を持っているということを言ったつもり、ないんだけどね」
「嘘です! だって、惟様はいつだって、私のこと優しく見てくださったじゃないですか!」
「それがどうしたの。別にだからといって、好きだというわけじゃないでしょう。君の言い方だと、ペットを優しく見ても恋愛感情を持っているという風に思われちゃうのかな?」
これは、惟なりの最終通告。これ以上の話は無駄、というように彼は車に乗り込んでいる。その後を無理矢理に追い、同じように座る千影。
「南原、勝手なことするんじゃない!」
「いいえ。惟様のお気持ち、ちゃんと聞かせてもらえるまで、私は降りません」
キッと惟を睨み、千影はそう叫んでいる。この状態の彼女を車から引きずり降ろしても、結局は後をついてくるだろう。そう思った惟は、忌々しげに舌打ちをすると車を動かしている。
彼にすれば、少しでも早く亜紀に会いたいという気持ちの方が強いのだ。だからこそ、彼は彼女を乗せたまま、約束の場所に行こうとする。そのことがどのような結果を招くのかということも知らずに……
「南原、このまま座っているのかい? ま、別に僕は構わないけどね。もっとも、すぐに降りてもらわないと困るのも事実だけどね」
「……わかりました。先ほどは申し訳ありませんでした」
車に乗る前のやり取りが嘘のように、千影は落ちついた声で応えている。その視線が店の中のある一点で止り、ほくそ笑んでいることに惟は気がついていない。
「嘘です! だって、惟様はいつだって、私のこと優しく見てくださったじゃないですか!」
「それがどうしたの。別にだからといって、好きだというわけじゃないでしょう。君の言い方だと、ペットを優しく見ても恋愛感情を持っているという風に思われちゃうのかな?」
これは、惟なりの最終通告。これ以上の話は無駄、というように彼は車に乗り込んでいる。その後を無理矢理に追い、同じように座る千影。
「南原、勝手なことするんじゃない!」
「いいえ。惟様のお気持ち、ちゃんと聞かせてもらえるまで、私は降りません」
キッと惟を睨み、千影はそう叫んでいる。この状態の彼女を車から引きずり降ろしても、結局は後をついてくるだろう。そう思った惟は、忌々しげに舌打ちをすると車を動かしている。
彼にすれば、少しでも早く亜紀に会いたいという気持ちの方が強いのだ。だからこそ、彼は彼女を乗せたまま、約束の場所に行こうとする。そのことがどのような結果を招くのかということも知らずに……
「南原、このまま座っているのかい? ま、別に僕は構わないけどね。もっとも、すぐに降りてもらわないと困るのも事実だけどね」
「……わかりました。先ほどは申し訳ありませんでした」
車に乗る前のやり取りが嘘のように、千影は落ちついた声で応えている。その視線が店の中のある一点で止り、ほくそ笑んでいることに惟は気がついていない。