たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
焦りを含んだ声がその口からは漏れている。その眉間にはいつもの彼には似合わない深いしわが刻まれていく。そのまま、彼はマスターに詰め寄るように問いかけていた。
「亜紀と一緒にいたのが誰か分かる? それって、前に僕が連れてきたフランス人?」
「お連れの方の国籍は分かりませんが、ハニーブロンドの髪の若い男性でした。たしか、一條様は『グラントさん』とお呼びのようでしたが」
その声に、亜紀と一緒にいる相手がアンジーだと確信したのだろう。少し、惟の表情が緩くなっていく。それでも、まだ眉間のしわはなくなろうとしない。彼はまた先ほどと同じ番号をプッシュする。
「アンジーが一緒なら心配することはないけど……でも、どうして出ないんだ。あそこじゃないなら、一体、どこに亜紀を連れて行ったんだ……」
「惟様……」
すっかり存在を忘れられたと思ったのだろう。千影が惟の気を引くように袖を引き、声をかける。そんな彼女の手を冷たく振り払った彼は、キツイ視線を向けるだけ。
「南原。これ以上、君に付き合うつもりはないよ。車を呼ぶから、好きなところに行って。それから、当分の間、君の顔は見たくないから」
「どうしてですか?」
「理由を聞かないと分からないの? そこまで君は馬鹿だったの? そんな君を信頼していたなんてね。僕自身にも思いっきり腹が立ってくる」
「山県様、落ちつかれてください。少々、お言葉が過ぎるのでは?」
「亜紀と一緒にいたのが誰か分かる? それって、前に僕が連れてきたフランス人?」
「お連れの方の国籍は分かりませんが、ハニーブロンドの髪の若い男性でした。たしか、一條様は『グラントさん』とお呼びのようでしたが」
その声に、亜紀と一緒にいる相手がアンジーだと確信したのだろう。少し、惟の表情が緩くなっていく。それでも、まだ眉間のしわはなくなろうとしない。彼はまた先ほどと同じ番号をプッシュする。
「アンジーが一緒なら心配することはないけど……でも、どうして出ないんだ。あそこじゃないなら、一体、どこに亜紀を連れて行ったんだ……」
「惟様……」
すっかり存在を忘れられたと思ったのだろう。千影が惟の気を引くように袖を引き、声をかける。そんな彼女の手を冷たく振り払った彼は、キツイ視線を向けるだけ。
「南原。これ以上、君に付き合うつもりはないよ。車を呼ぶから、好きなところに行って。それから、当分の間、君の顔は見たくないから」
「どうしてですか?」
「理由を聞かないと分からないの? そこまで君は馬鹿だったの? そんな君を信頼していたなんてね。僕自身にも思いっきり腹が立ってくる」
「山県様、落ちつかれてください。少々、お言葉が過ぎるのでは?」