たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
「ほんとに惟さんには負けますよ! とにかく、亜紀ちゃんが来た時には、落ちついていてください! ほんとにこの場で襲うなんてこと、しないでくださいよ!」
そんな拓実の叫び声が響く中、遠慮がちに理事長室の扉が叩かれる。それと同時にガチャリと開いたかと思うと、一人の生徒が中に入ってこようとしていた。
しかし、その足が途中で止り、くるりと踵を返そうとする。もっとも、そのようなことはさせないというように惟が駆け寄ると、相手を室内へと引きずりこんでいる。
この行動はどう見ても危ない。そんなことを言いたげな色を拓実は浮かべているが、その視線を向けられている惟が気にするはずもない。
なにしろ、やってきた相手は彼が会いたくて仕方のない亜紀だからだ。おまけに、ここで彼女に逃げられたら、またしばらく会うことはできない。
そのことも本能的に察しているのだろう。惟の行動は迅速としかいいようがない。そして、彼に引きずり込まれたことで室内に入ってきた亜紀の表情はどこか憮然としたもの。
だが、それも仕方がないだろう。彼女にすれば、まだ惟に会うだけの心の準備ができていないと言えるからだ。だからだろう。彼女は惟を無視するように、拓実に向かって怒りの声を上げる。
「お兄ちゃん! 急に呼び出したりして何の用があるのよ! こんなこと止めてって前から言ってるでしょう? それなのに、どうして分かってくれないのよ!」
「う〜ん。今日はどうしてもっていう用事だったし。だから、辛抱してよ。帰りに亜紀ちゃんの好きなチョコパフェ食べに行こう。ね、それで機嫌直して」
「そんなもので釣られないわよ。お兄ちゃんの非常識!」
そんな拓実の叫び声が響く中、遠慮がちに理事長室の扉が叩かれる。それと同時にガチャリと開いたかと思うと、一人の生徒が中に入ってこようとしていた。
しかし、その足が途中で止り、くるりと踵を返そうとする。もっとも、そのようなことはさせないというように惟が駆け寄ると、相手を室内へと引きずりこんでいる。
この行動はどう見ても危ない。そんなことを言いたげな色を拓実は浮かべているが、その視線を向けられている惟が気にするはずもない。
なにしろ、やってきた相手は彼が会いたくて仕方のない亜紀だからだ。おまけに、ここで彼女に逃げられたら、またしばらく会うことはできない。
そのことも本能的に察しているのだろう。惟の行動は迅速としかいいようがない。そして、彼に引きずり込まれたことで室内に入ってきた亜紀の表情はどこか憮然としたもの。
だが、それも仕方がないだろう。彼女にすれば、まだ惟に会うだけの心の準備ができていないと言えるからだ。だからだろう。彼女は惟を無視するように、拓実に向かって怒りの声を上げる。
「お兄ちゃん! 急に呼び出したりして何の用があるのよ! こんなこと止めてって前から言ってるでしょう? それなのに、どうして分かってくれないのよ!」
「う〜ん。今日はどうしてもっていう用事だったし。だから、辛抱してよ。帰りに亜紀ちゃんの好きなチョコパフェ食べに行こう。ね、それで機嫌直して」
「そんなもので釣られないわよ。お兄ちゃんの非常識!」