たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
「あいたいよ……ぱぱとままにあいたいよ……」



人前で泣くことを辛抱していたのだろう。誰もいないこの場所で彼女は涙を流し続けている。その時、彼女のそばに近づく気配。その気配の主は躊躇うことなく、少女をギュッと抱きしめていた。



「やっぱり、ここにいたんだ。探したよ」


「ふ、ふぇ……」



突然、かけられた声に少女は驚いたような表情を浮かべている。そんな彼女の体をもう一度ギュッと抱きしめた相手。少年ともいえる相手はそのままの姿勢で少女に優しく声をかけていく。



「泣いていいんだよ。泣くことを辛抱しなくてもいいんだよ」


「でも……」


「こんなに小さいのに辛抱しなくてもいいの。泣きやむまでいてあげるから。だから、思いっきり泣けばいいんだよ。それに、泣かないと壊れちゃうからね」



そう言うなり、少年は少女の頭をポンポンと叩いている。どこか愛情深いその仕草に彼女の涙腺は完全に崩壊してしまったのだろう。しゃくりあげていた声が一気に大きくなると、相手の胸に顔をうずめている。



「ひぃっく……ひぃっく……ぱぱ……まま……」



少女の盛大な泣き声が止むことはない。そんな彼女の背中を優しくトントンと叩いている少年。その目に浮かんでいるのは愛おしげともいえそうな光。それにも気がつかないのか少女はいつまでも泣いているだけだった……



to be continued



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