たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
声の主が惟の父であり、玲子の夫でもある達也だということに気がついた亜紀はすがりつくような声を出している。そんな彼女の様子に、達也は同情するようなまなざししか向けてこない。
「おじさま! 助けてくれないんですか?」
「助けてあげたいよ。でもね。玲子の性格だし、諦めて彼女の言うこときいてくれない?」
「無理です! っていうより、さっきまで助けてくれそうな口ぶりだったのに!」
思ってもいなかった達也の言葉に、亜紀は涙目になることしかできない。そんな彼女に達也は淡々と言葉をかけ続ける。
「うん。最初は亜紀ちゃんを助けてあげようって思ったけどね。でも、玲子の気持ちも分かっちゃったから」
「たっちゃん、分かってくれた? やっぱり、たっちゃんだわ」
達也の言葉に完全に気をよくしたのだろう。玲子の声はウキウキしたものになっている。そんな彼女に近寄った達也は「でもね」と言いながら、彼女を亜紀から引き剥がしていた。
「たっちゃん、どうしてよ! 気持ち、分かるって言ってくれたじゃない」
「たしかにそうだよ。でもね。亜紀ちゃんは玲子の相手をするために病室から出てきたんじゃないだろう? 違うかな?」
その言葉に、玲子もハタと気がついたように亜紀の顔を見つめてくる。その視線が雄弁に何かを物語っている。そう思った亜紀は、解放されたにも関わらず、どこか気まずい思いを感じることしかできなかった。
「あ、あの……おばさま?」
「おじさま! 助けてくれないんですか?」
「助けてあげたいよ。でもね。玲子の性格だし、諦めて彼女の言うこときいてくれない?」
「無理です! っていうより、さっきまで助けてくれそうな口ぶりだったのに!」
思ってもいなかった達也の言葉に、亜紀は涙目になることしかできない。そんな彼女に達也は淡々と言葉をかけ続ける。
「うん。最初は亜紀ちゃんを助けてあげようって思ったけどね。でも、玲子の気持ちも分かっちゃったから」
「たっちゃん、分かってくれた? やっぱり、たっちゃんだわ」
達也の言葉に完全に気をよくしたのだろう。玲子の声はウキウキしたものになっている。そんな彼女に近寄った達也は「でもね」と言いながら、彼女を亜紀から引き剥がしていた。
「たっちゃん、どうしてよ! 気持ち、分かるって言ってくれたじゃない」
「たしかにそうだよ。でもね。亜紀ちゃんは玲子の相手をするために病室から出てきたんじゃないだろう? 違うかな?」
その言葉に、玲子もハタと気がついたように亜紀の顔を見つめてくる。その視線が雄弁に何かを物語っている。そう思った亜紀は、解放されたにも関わらず、どこか気まずい思いを感じることしかできなかった。
「あ、あの……おばさま?」