たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
「これって絶対に惟よね……アンジーが勝手にこんなことするはずないし……」
アンジーのアナウンスを耳にした瞬間、カッと頭に血が上って何も考えられなくなっていた亜紀。だが、冷静になれば、これを仕組んだ犯人が誰かということは容易に見当がつく。
絶対に、一緒にステージに上がるのを拒否した腹いせにやっているんだ。
そう思う亜紀はため息を必死になって堪えようとしている。なにしろ、この場でため息などつこうものなら、後で何を言われるのか考えるまでもない。
間違いなく、そのことでいつまでもチクチクと嫌味を言われるに違いない。だが、そんな彼のことが好きになったのだ。そう思う亜紀の口元には、いつの間にか微笑みが浮かんでいる。
たしかに、彼と一緒に並ぶというのは恥ずかしいことには違いない。だが、ここまでオープンにされてしまっては拒絶するということすら不可能。ならば、彼の思惑に乗るしかないではないか。
なんとかそういう方向に気持ちをもっていくことのできた亜紀は、微笑みを浮かべたまま惟のそばに近寄ってく。そんな彼女の腰をグッと引き寄せ、顔を覗き込んでくる惟。その姿に会場にいた女性たちの黄色い悲鳴が上がっている。
「ね、ねえ、惟……ちょっと、やりすぎなんじゃないの?」
「どうして? 亜紀が最初からOKしてくれていたら、こんなことしなかったんだよ。だから、これは亜紀の自業自得。これくらいは辛抱しないとね」
相変わらず極上の笑顔を振りまきながらそう告げる惟。こんな状態の彼に何を言っても無駄。そのことを亜紀はしっかりと学習している。それでも、まだ反論したいという気持ちもあるのだろう。観客の目には入らないように微かに頬を膨らませながら言葉を紡ぐ。
アンジーのアナウンスを耳にした瞬間、カッと頭に血が上って何も考えられなくなっていた亜紀。だが、冷静になれば、これを仕組んだ犯人が誰かということは容易に見当がつく。
絶対に、一緒にステージに上がるのを拒否した腹いせにやっているんだ。
そう思う亜紀はため息を必死になって堪えようとしている。なにしろ、この場でため息などつこうものなら、後で何を言われるのか考えるまでもない。
間違いなく、そのことでいつまでもチクチクと嫌味を言われるに違いない。だが、そんな彼のことが好きになったのだ。そう思う亜紀の口元には、いつの間にか微笑みが浮かんでいる。
たしかに、彼と一緒に並ぶというのは恥ずかしいことには違いない。だが、ここまでオープンにされてしまっては拒絶するということすら不可能。ならば、彼の思惑に乗るしかないではないか。
なんとかそういう方向に気持ちをもっていくことのできた亜紀は、微笑みを浮かべたまま惟のそばに近寄ってく。そんな彼女の腰をグッと引き寄せ、顔を覗き込んでくる惟。その姿に会場にいた女性たちの黄色い悲鳴が上がっている。
「ね、ねえ、惟……ちょっと、やりすぎなんじゃないの?」
「どうして? 亜紀が最初からOKしてくれていたら、こんなことしなかったんだよ。だから、これは亜紀の自業自得。これくらいは辛抱しないとね」
相変わらず極上の笑顔を振りまきながらそう告げる惟。こんな状態の彼に何を言っても無駄。そのことを亜紀はしっかりと学習している。それでも、まだ反論したいという気持ちもあるのだろう。観客の目には入らないように微かに頬を膨らませながら言葉を紡ぐ。