たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
エピローグ
先日のファエロアの新作発表会はある意味で人々の注目を浴びるものだった。
なにしろ、ラストのマリエを着たのがモデルではなく一條家の令嬢でもある亜紀。そして、その場で堂々と交わされたキスは、翌日以降のワイドショーの格好のネタとなっている。
それらを受けたというわけではないだろうが、亜紀と惟の結婚式が一気に現実味を帯びてきたのも間違いないこと。そんな中、最後まで抵抗していた拓実がついに白旗をあげた。ということで、高校卒業後という約束だった二人の結婚式が執り行われることになったのも当然と言えるものだったろう。
もっとも、さすがに花嫁である亜紀が高校生ということを配慮したのだろう。この日の結婚式は身内だけのごくシンプルなもの。来賓を招待する大掛かりなものは彼女が高校を卒業してからということに変わりはない。だが、亜紀にすればアンジーがデザインしたウェディングドレスに身を包むことで、緊張感も覚えているようだった。
「亜紀、用意はできた?」
「た、惟……ほんとに私でいいの?」
今まで何度も繰り返されてきた問いかけ。亜紀にすれば、今日の日が望んでいた日であることは間違いない。それでも、やはり不安があるのだろう。惟の顔を見たとたん、彼女はいつものように不安を訴えかけることしかできなかった。
「亜紀、何度も同じこと言わせない。僕は亜紀がいいの。亜紀じゃないとダメなの。そのこと、分かってくれないの?」
「分かってるつもりよ。だって、私もそうだもの」
なにしろ、ラストのマリエを着たのがモデルではなく一條家の令嬢でもある亜紀。そして、その場で堂々と交わされたキスは、翌日以降のワイドショーの格好のネタとなっている。
それらを受けたというわけではないだろうが、亜紀と惟の結婚式が一気に現実味を帯びてきたのも間違いないこと。そんな中、最後まで抵抗していた拓実がついに白旗をあげた。ということで、高校卒業後という約束だった二人の結婚式が執り行われることになったのも当然と言えるものだったろう。
もっとも、さすがに花嫁である亜紀が高校生ということを配慮したのだろう。この日の結婚式は身内だけのごくシンプルなもの。来賓を招待する大掛かりなものは彼女が高校を卒業してからということに変わりはない。だが、亜紀にすればアンジーがデザインしたウェディングドレスに身を包むことで、緊張感も覚えているようだった。
「亜紀、用意はできた?」
「た、惟……ほんとに私でいいの?」
今まで何度も繰り返されてきた問いかけ。亜紀にすれば、今日の日が望んでいた日であることは間違いない。それでも、やはり不安があるのだろう。惟の顔を見たとたん、彼女はいつものように不安を訴えかけることしかできなかった。
「亜紀、何度も同じこと言わせない。僕は亜紀がいいの。亜紀じゃないとダメなの。そのこと、分かってくれないの?」
「分かってるつもりよ。だって、私もそうだもの」