たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
もっとも、そんな中でも彼女の思考の一部では別の相手のことも考えている。それは、先ほども思っていた、彼女の夢の中にだけ存在する相手。もっとも、これも現実にあったことかもしれない。その証拠に、夢の中の場所は先ほどまで惟といたバラのアーチのそばなのだから。
「どうして、惟さんと一緒にいると、あのこと思い出すんだろう。今まで、そんなことなかったのに……どうして、あの時、あの人に会いたいなんて思ったんだろう?」
あの時、ポロリとこぼした言葉に、惟が反応するとは思ってもいなかった。今、思い出してもあの時の状況はヤバかった。よくぞ、何事もなく逃げ出すことができた。そんなことを亜紀はボンヤリと考えている。そんな時、彼女の頭上からどこか呆れたような声が降り注がれていた。
「お嬢様、制服のままで何をなさっていますか。明日、着ていける状態ではないではないですか。すぐに手入れをしますので、早くお召し変えをしてください」
その声に、亜紀はピクンと反応している。おそるおそるそちらを見た彼女の目には、困り果てたような雅弥の姿がある。それを目にしたとたん、彼女はベッドから跳ね起きると、慌ててクローゼットの中の服を取りだしていた。
「ゴメンなさい。すぐに着替えます。だから、部屋から出て行ってくれない?」
「今回はお断りいたします。もっとも、お嬢様がお着替えになられるところを見るつもりはございません。あちらの隅におりますので、お着替えが終わられましたら、制服をお持ちください」
雅弥のその言葉に、今回の亜紀は「はい」と応えることしかできない。なんといっても、今日は彼女が圧倒的に悪いのだ。そのことを分かっている亜紀は、不満を口にすることなく、手早く着替えている。
「どうして、惟さんと一緒にいると、あのこと思い出すんだろう。今まで、そんなことなかったのに……どうして、あの時、あの人に会いたいなんて思ったんだろう?」
あの時、ポロリとこぼした言葉に、惟が反応するとは思ってもいなかった。今、思い出してもあの時の状況はヤバかった。よくぞ、何事もなく逃げ出すことができた。そんなことを亜紀はボンヤリと考えている。そんな時、彼女の頭上からどこか呆れたような声が降り注がれていた。
「お嬢様、制服のままで何をなさっていますか。明日、着ていける状態ではないではないですか。すぐに手入れをしますので、早くお召し変えをしてください」
その声に、亜紀はピクンと反応している。おそるおそるそちらを見た彼女の目には、困り果てたような雅弥の姿がある。それを目にしたとたん、彼女はベッドから跳ね起きると、慌ててクローゼットの中の服を取りだしていた。
「ゴメンなさい。すぐに着替えます。だから、部屋から出て行ってくれない?」
「今回はお断りいたします。もっとも、お嬢様がお着替えになられるところを見るつもりはございません。あちらの隅におりますので、お着替えが終わられましたら、制服をお持ちください」
雅弥のその言葉に、今回の亜紀は「はい」と応えることしかできない。なんといっても、今日は彼女が圧倒的に悪いのだ。そのことを分かっている亜紀は、不満を口にすることなく、手早く着替えている。